合格率で見る試験の難易度
通関士が珍重される職業になっているのは、ひとつには通関士になろうとしても難易度が高くて簡単ではないためでもあります。
その通関士の難易度は、ただシビアなだけではありません。
難易度が高すぎるのではつい通関士を目指すのをあきらめたくなってしまいますが、シビアな現実から目をそむけずに切り込んでいったほうが、突破口も見えてきます。
通関士試験の難易度ですが、幸いなことに合格率等のデータが細密に世に公表されています。
最近の合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成15年(2003年) | 10,001人 | 1,211人 | 12.1% |
平成16年(2004年) | 10,191人 | 1,920人 | 18.8% |
平成17年(2005年) | 9,953人 | 2,466人 | 24.8% |
平成18年(2006年) | 10,357人 | 725人 | 7.0% |
平成19年(2007年) | 10,695人 | 820人 | 7.7% |
平成20年(2008年) | 10,390人 | 1,847人 | 17.8% |
平成21年(2009年) | 10,367人 | 807人 | 7.8% |
平成22年(2010年) | 9,490人 | 929人 | 9.8% |
平成23年(2011年) | 9,131人 | 901人 | 9.9% |
平成24年(2012年) | 8,972人 | 769人 | 8.6% |
平成25年(2013年) | 8,734人 | 1,021人 | 11.7% |
平成26年(2014年) | 7,692人 | 1,013人 | 13.2% |
平成27年(2015年) | 7,578人 | 764人 | 10.1% |
平成28年(2016年) | 6,997人 | 688人 | 9.8% |
平成29年(2017年) | 6,535人 | 1,392人 | 21.3% |
平成30年(2018年) | 6,218人 | 905人 | 14.6% |
通関士の難易度は、この合格者の人数や合格率の移り変わりを見ると、大まかな実態がつかめるのではないでしょうか。
この図を見ていると、通関士の難易度は確かに、低いなんて表現はできないですが、ただ難しいだけだったら、もっと下がっていてもおかしくないですし、それに数値の変動がもっと激しくてもおかしくないでしょう。
通関士の難易度には、上からの意図で調整が入っていると考えてください。
- 通関士の合格率は突然下落している(平成17年度までと18年以降でだいぶ変わってしまっていますが、これは問題の形式が変わったことが主因だろうと考えられています)
- 10人に1人以下の割合でしか今後は合格者が出されない見通しが強いこと(問題の形式が変わったことだけが原因ではありません。上述したように、通関士試験の合格者は綿密に調整をされているのです)
- 通関士の受験者の人数が少しずつ増えたり減ったりしていること(この5年間を通して減少に転じているといってもいいですが、これについては今後もこの方向性が続くとは限りません。
ライバルがこれから減るだろうという見通しを持つのは早急だということです)
通関士の合格率は1割にも満たないのかと思うと、通関士の試験を受ける気分も 薄れてしまうかもしれませんが、これは「決して油断してはいけない」ことを意味するものであって、決して「ただ望み薄」なことを意味するものではありません。
まずは通関士の合格率の背景を理解する
通関士の合格率を見て感じるのは難しいということだと思います。
15%台だということは、10人受験して2人も通関士に合格できない計算になるので、非常に困難な試験です。
しかもこれは通関士に限ったことではないのですが、どの試験に置いても勉強ができる人は2割くらいいます。
つまり理論上多くの方が、合格するのが困難な試験ということになるのです。
しかし、通関士の合格者を見てみると、必ずしも勉強ができる方や知識がある方が合格できると言うわけではありません。
専門的な知識がない学生や今までほとんど勉強してこなかった人でも合格している人はたくさんいます。
別にそこには特別な勉強法も試験問題を100%予測できる教材があるわけでもなく、 当たり前のことを当たり前にこなしているだけなのです。
しかし、多くの人はその当たり前のことを知りませんし、例え知っていたとしても実践していません。
この違いが合格か不合格かの明暗を分けてしまいます。
正しい勉強法が合格への近道
確かに通関士の合格率は低く、難易度の高い試験です。
一夜付けで合格でき試験でもありませんし、らくして合格できる試験でもありません。
でも、今あなたが持っている志向を変え、正しいやり方を身に付ければ、誰にでも十分に合格できる可能性のある試験なのです。
その正しいやり方というのをこの機会に学んで頂ければと思います。
これから、皆さんがこのサイトで学んで頂くことは、簡単に合格できる裏技ではなく、まっとうな勉強法です。
というよりも裏技的な勉強法など存在しないのです。
これだけインターネットが発達すれば様々な情報が世に発信され、中には楽々勉強法やわずか数十時間で合格など真実味のない情報が出回っています。
ですが、そんな方法は絶対にありえません。
勉強の効率を上げるという意味での楽ということはあっても、努力なしに通関士の試験に合格できることは不可能です。
皆さんがこれから挑戦する通関士の試験は合格率が低い、国家資格だということです。
通関士の難易度にどう切り込んでいったら受かる方法が見えてくるのかは次のページに進んで読み取ってください。